北京に移住した後も故郷の音楽を演奏する人々

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北京に移住した後も故郷の音楽を演奏する人々


 専門の音楽家を目指して北京に向かう人は、地方からやってくる多くの人の群れの中のほんの僅かです。多くは出稼ぎか、北京で事業を興そうとしているなど、別の目的でやってきます。しかし、プロかプロを目指す音楽家よりアマチュアの方が人口が多いので、音楽以外の仕事の関係で北京に入る人の中には北京移住後も何らかの演奏に携わる場合があります。彼らは、地方の芸能の風格を維持したまま北京で活動します。この項では、これらの音楽家を取り上げます。

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09.01.28 - 潘家园

  この場所は北京の骨董が集まる場所として有名です。フリーマーケットのスペースは最近、地下鉄の駅を作るため工事が始まり少し狭くなりました。ここで中国のちんどん屋に相当すると思われるものが、練り歩いています。或いは、春節に関係した祭祀関係でこういうものを雇ったのかもしれません。これをどこのカテゴリに収めたらいいかわからなかったので、ここに収めることにしておきました。非常に騒々しい印象でした。中国では、春節に爆竹を鳴らします。これは魔除けの意味があるとされていますので、この雇われた一行も、同じ理由で激しく楽器を鳴らしていたのかもしれません。

10.03.13 - 潘家园

  上と同じ、潘家园古货市场です。土日になると、いつも同じ場所で民族楽器を売っているおじさんがいます。すべて管楽器で新品です。出身地の楽器を売っているようで、ここで吹いているのは簫の小型のものです。普通高音の木管は横笛ですが、これは縦です。珍しいのではないかと思います。こんな風に吹き鳴らして販売しています。

豫劇(河南梆子)で使う板胡 10.03.14 - 平安里

  新街口楽器街の南の端は平安里と言います。ここから住宅街に入ると一件の家政婦紹介所があります。北京市内には家政婦紹介所はかなりたくさんあり、この録音場所もその1つです。この会社は、河南人で運営しているようで、なまりがきつく何を言っているのかよくわかりません。夜仕事が終わるとこうして集まっては、故郷の音楽を演奏します。これは豫劇という河南地方の戯劇で、河南梆子ともいいます。主奏楽器は板胡で低音に二胡を使っています。右の写真の通り、豫劇の板胡は金属の瑁子を指に被せます。小指には使いません。滑音を多用するので、こうしないと演奏できないのだと思います。

10.03.21 - 麦子店

  本題から逸れてきているようで恐縮ですが、世界各地には北朝鮮経営のレストランというのがあり、北京にも1店舗ありますので、行って参りました。
北朝鮮経営レストラン店内 いわゆる日本で"美女軍団"などと揶揄されている北朝鮮の女性が勤務しており、通常はウェイトレスですが食事の合間に演奏を行うということで、視察を行ったものです。
 ここで、これまで伝え聞く、北朝鮮の芸能情報とそれに関連した私の分析に触れておきます。まず民族音楽関連ですが、韓国では伝統楽器をそのままの形で保存しているのに対して北朝鮮はそれだけでなく、楽器の改良が発達しており、より現代的な機能を持った優秀な楽器も開発されています。演奏者については特に拉弦が優秀で、私の調査では世界最高水準のレベルを持っているとさえ言われています。北朝鮮では国家元首が芸能に対する造詣が深いため、国家によって保護され発展しているようです。野球で例えて言うと、かつてはキューバが世界最強で、人材を海外に流出させない政策と国家元首が積極的に保護していたという特徴がありましたが、現在の北朝鮮芸能はそれとそっくりな状況にあります。解放されると、少なくとも現在アジアでは一番優秀ではないかと考えられます。通常、若い人が音楽のきちんとした素養を身につけようと思えば、やはり優れた教育が必要です。一部には天才もいますが、層の厚さを得ようと思えば、割と普通の人でも高い次元に達することのできる環境がないといけません。輩出した若い音楽家の質がすなわち、その国なり特定の音楽院の質、ということができます。ここに聴く20代前半の女性たちの演奏ですが、単に楽器を一生懸命練習してきたに留まらない、もっとしっかりした音楽教育を受けていることがわかります。現在ところ、懸念される点としては、北朝鮮が今後、権力継承が進んだ後も、これまで同様、芸能が保護されるかという点です。場合によっては、多くの優れた芸術家を失うことになるのかもしれません。