ご質問(二胡関係の買い物)13

二胡絹弦の販売 - 弦堂


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中国における二胡の流通はどのようになっていますか?


出来上がった二胡を最初に購入する権利が得られるのはたいてい演奏家です。
これは必然で、プロの演奏家はいい楽器が欲しいですし、工房は自社のブランドの楽器の評価を高めたいので、ぜひ宣伝のために有名演奏家に自社の二胡を使って貰いたいので、中途半端なものは売りたくありません。
演奏家自身が工房を訪れ、試奏を繰り返して選別してゆきます。
その後、有力な販売店が残りの全部を買い上げます。
そして、9割を返品します。
選別にはある程度時間をかけます。
数日拉いて、すぐには決定しないといいます。
返品され余った9割は、一般に出回ります。

それで良い二胡は、一般には手に入りにくいように思われますが、必ずしもそういうことはなく、少ないながらあることはあります。
しかし、すでに名の知られた有名な制作家のものは、厳しい選別に掛けられた後の残りのものなので難しい傾向はあります。

こういう商品の流れについて中国ではある程度知られているためか、有名な演奏家の鑑定書付の二胡などが出てきて、二胡の胴に彫り込みを入れている物さえ有りますが、日本にも入ってきているのでご覧になられたことがある方はおられると思います。
これは本当に選別されたものかどうかわかりませんが、有名演奏家との契約が交わされているのは間違いないと思います。
こうすれば、高い価格で販売できます。

そういうことで、制作家は、高級な材料を使って必ずしも高級な音が鳴る楽器を作れるわけではないことがわかります。
非常にムラがあります。
安い楽器が素晴らしい音で鳴る場合があるのも、そういう理由です。
しかし、安い楽器まで見分けてられないので、販売価格は材の価格だけで決まっている状況だろうと思います。

さて、ここまで説明を続けますと、一番多い要望は、安い二胡で選別したものが購入できないか、というものです。
安くて選別したものを購入できれば、非常に良い買い物だと考えるのは、筋が良いといえます。
しかし、そういうものはありません。
安い楽器を選別する理由が、販売側に全くないからです。
たぶん、購入する側にもメリットはないと思います。

プロの演奏家は、蛇皮の最高のコンディションは、演奏を始めて2〜3年目ぐらいだと考えています。
その後、下り坂になるのであれば、彼らが多数の楽器を所有して、定期的に購入するのは理解できます。
そして、この理由で厳密な選別も必要としています。
楽器を生涯使おうという人には、選別は意味がないと思います。
蛇皮は、拉けば拉くほど、音が良くなります。
しかし、音の鋭さは失います。
プロは、これを嫌う傾向があります。
アマは、同じ楽器を使い続けるので、見た目で判断できる範囲で個人的に良し悪しを判断する方が良いように思います。
とはいえ、楽器1把1把、性質があるので、できれば拉いて決めた方が良いです。
時間が経つと音も変わってくるので、ほとんどあてになりませんが、その楽器が持つ固有のキャラクタはわかると思います。
楽器を見ただけで、音の傾向がわかるぐらいになった方が確実と思います。

二胡配給券 右の写真は、文革期に配給されていた二胡を受け取るための券です。
これで、二胡1把受け取れます。
二胡は販売されるものではなく、配給制だった時代もあったということがわかります。